神様のドングリ-はじまり-

遠い遠い、果てしなく遠い私達の知らない異次元の世界のお話。

動物たちと草花、自然が調和して仲良く暮らす世界がありました。

その世界の片隅に動物たちの集まる小さな村がありました。

その小さな村で今宵は村祭りが行われています。

村の中心には、村を象徴するかのような大きく太い樹齢1万年とも百万年とも謂れがあるとても立派な樹がどっしりとした巨躯を晒しています。

その樹木の周辺で村に住む動物たちが集まってどんちゃん騒ぎをして楽しそうです。

夜空には満点の星。

大きな薪に炎を灯して、それを囲むように動物たちが並んでいます。

その和の中心には他の動物たちよりも年老いた動物が座っています。

毛も大分、白髪となり、穏やかな表情で炎を見つめています。

時折、胸にぶら下げた貝殻のネックレスを大事そうに愛おしそうに手のひらでいじっています。

「ねえねえ、長老様。マモリギはどうしてこんなに大きいの?」

炎を囲む小さな子供のリスが年老いた動物に質問を投げかけてました。

年老いた動物はどうやら村の長老のようです。

「それはな。わしらを守ってくださるためじゃ。立派な方じゃから身体も立派なんじゃ」

静かに微笑みながら長老は答えました。

マモリギというのは、どうやら村の中心にそびえる大きな樹のことのようです。

「でも、マモリギはこんなの大きいのにどうして、この村はこんなに小さいの?」

今度は子供の兎が長老に問いかけます。

長老は少し寂しそうな顔をして言いました。

「本当はもっとこの世界にも今より沢山の動物たちが暮らしておったのじゃ。今は随分と少なくなってしまったからのう」

「村ももっと大きかった?」子供の兎が身を乗り出して訊きました。

「そうじゃな、もっともっと沢山の動物たちが暮らしておったし、村ももっと大きかった」

長老はどこか遠くの星を見つめるように目を細めて夜空を眺めながらつぶやくように言いました。

「どうしてこんなに小さな村になっちゃったの?」今度はいたずら好きそうな仔狸が横槍を入れます。

「どうして、昔より今は村が小さいのさ。それに村の外には絶対、出ちゃダメって母さんが言ってた。」

ちょっと不満気を漏らすように仔狸は長老に詰め寄ります。

「ポリー!長老様に失礼でしょ」慌てたように仔狸の母親が子供の生意気な口ぶりをたしなめました。

「良いのじゃ」長老は言いました。

それから、胸からぶら下げていた貝殻のネックレスを右の手のひらで弄りながら「今日は皆に聞いて欲しい話があるのじゃ」と集まっていた村の動物たちに呼びかけました。

どんちゃん騒ぎをしていた動物たちも長老の呼びかけにシンと静まり返り注目は長老へと集まります。

どれだけ羽目を外していても長老への敬意は、村の動物たちの共通の思いでもありました。

皆の注目が集まったところで長老は静かに語り始めました。

「今日は大切な村祭りの日じゃ。だからこそ、皆には知っておいて欲しいことがある」

村の動物たちは固唾を飲んで、長老の次の言葉を待っています。

「今宵、わしの犯した罪を話しておきたいと思う」

年老いてしまったとは思えないほど、力強い声と鋭い目をして長老は言い放ちました。

一瞬、周囲はざわざわとし始めます。

しかし、動物の一人が口に指を当てて、静止する仕草をとると皆また落ち着きを取り戻しました。

長老は皆が落ち着いたところを見計らって今度は穏やかな口調で語り始めました。

「あれは百年以上前のわしがまだ若かった頃のことじゃった・・・」

長老は貝殻のネックレスをいじりながら、大きなため息をついたのでした。

「わしは、わしのせいで大切な者たちを失ってしまった」

・・・続く

神様のドングリ- バリスとドリ -へ続く


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