神様のドングリ- 孤独な狐 -

はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。

-----------------------------

神様のドングリ- バリスとドリ -からの続き。

バリスとドリが暗雲垂れ込める空を見上げていた頃から数日前のこと。

森の真ん中に大きくそびえ立つ太い大樹があるところ。

大樹の名前はマモリギという。

そのマモリギのある森の道すがら、ススキを加えた狐が一匹歩いています。

抜けるような青い空。とても気持ちの良い日のことでした。


・・・ ◇◆ 孤独な狐 ◆◇ ・・・

狐の名前はタイラー。

天涯孤独の身でいつもひとりぼっちで行動しています。

誰かと遊ぶことも、仲間に加わることもなく、自由気ままな生き方をしています。

今日も良い天気の中、森には動物たちが沢山、現れていて、なんだかとても楽しそうです。

「ふんっ」口に加えたススキをタイラーは上下に揺らしながら、鼻先でそんな動物たちを見て侮蔑したように笑います。

タイラーはいつも、どこか他の動物たちを馬鹿にしたような態度を取るのです。

だから、いつも他の動物たちはタイラーを嫌煙していました。

いつも孤独でいるタイラーを逆に軽蔑する動物もいました。

そんなことでタイラーはいつも一匹狼ならぬ一匹狐でいたのです。

タイラーはブラブラと森を散策しながらふと大樹であるマモリギの前で歩みを止めました。

マモリギの下に何か金色に光る小さな丸い玉を見つけたからです。

しゃがんで確認してみるとそれは、小さなドングリで黄色く腐食していて、食べられそうにはありません。

ただ、光にさらされると少し輝いて綺麗です。

「なんだ。腐ったドングリか」

タイラーは言い捨てると遠くへ投げ捨てようとドングリを握りしめ、その腕を振りかぶりました。

まさに投げようとしている瞬間、前方から三匹の動物がこちらに歩いてくるのが見えました。

タイラーは細い目でその動物たちを見据えながら、投げ捨てようとしていたドングリをお手玉のように空中に軽く投げて受け取るということをしながら弄んでいます。

何か思案をしているようです。

そして、何か閃いたのかニヤっと笑うと三匹の動物がこちらに来るのを待ち構えています。

三匹の動物は、狸、兎、犬でした。

三匹はそれぞれ森で手に入れた木の実や食べられる植物などを手に抱えています。

「いよー、ひとりぼっちのタイラー。今日も誰にも相手にされず寂しいことですな」

狸がタイラーの姿に気づくと露骨に馬鹿にしたような顔で挑発してきました。

「いやいや、お前らのようにいつもツルンでいるなんて考えられないな。ひとりは何もできないんだろ?」

タイラーも負けずに憎まれ口を叩きます。

「負け惜しみを言ってろ!」と兎が口喧嘩に加わります。

「そうだ!俺たちは三匹で協力してこんなに食料を手に入れたぞ?お前はどうだ?何も持ってないじゃないか」


今度は犬が応酬します。

「まあ、お前のようなロクデナシには仲間なんて出来るわけないよな」

狸がそう言うと三匹はタイラーを指さして大笑いしました。

「ふん、お前らは精々、森の木の実でも取っていればいいさ。俺はそんなものとは比べ物にならない宝物を見つけたからな」タイラーは不敵に笑い三匹の動物のそれぞれの顔を覗き込みます。

三匹の動物たちはそれぞれお互いの顔を見合わせて訝しげな表情でタイラーをにらみます。

「宝物?お前、いい加減なこというな」と狸。

「そうだ。宝物なんてお前が持っているはずがない」と兎。

「もし、本当なら見せてみろ!」と犬が言いました。

タイラーはシメシメという表情を内心浮かべながらもしかめつらしい真面目な顔をして、右手にあるものを掲げます。

それは先ほど、拾った黄色く腐食したドングリでした。

丁度、おひさまの光にさらされるようにドングリを掲げるとタイラーは高らかに宣言しました。

「これはなただのドングリじゃないぞ?神様のドングリだ」

三匹の動物たちはタイラーの右手の先でキラキラと輝くドングリを見て驚きを隠せません。

動物たちもドングリはよく知った木の実です。

しかし、金色に光るドングリなんて観たことがありません。

「神様のドングリ!?お前、そんなものどこで手に入れた!」と狸はタイラーに詰め寄ります。

「俺たちにも教えろ!」と兎と犬が交互に言います。

「う~ん?お前らさっき俺のことロクデナシとか言ってなかったけ?」

タイラーは意地悪く言いました。

そう言われると情けない顔をしてバツが悪そうに三匹は「悪かった。謝るから」と縮こまり平身低頭してタイラーに「お願いだから神様のドングリのありかを教えてくれ!」と懇願しました。

三匹はもう神様のドングリと名付けられた腐食したドングリに心を奪われています。

タイラーはその姿を見て、気分良さそうに三匹を上から見下ろしました。

「仕方がないな。教えてやるか」

そう言うとタイラーは、自分が腐食したドングリを見つけた森のマモリギの付近を指さしました。

三匹は急いで、マモリギのあたりを探して回ります。

「おおっ!神様のドングリを見つけたぞ!!」

兎がまず、一個、神様のドングリを見つけたようです。

「くそ!俺も探すぞ!」と狸も犬も懸命になって神様のドングリを探しています。

タイラーはそんな三匹の姿を見ながら、心の中ではお腹を抱えて大笑いしています。

「馬鹿な連中だ。ただの腐ったドングリをあんなに必死になって探してら」

タイラーは心の中でそうつぶやくと必死に探す三匹を尻目に口に加えたススキを上下に動かしながら森を後にしたのでした。


・・・しかし、この時、まだ、この一件が後に重大な事件を引き起こすとは夢にも思う動物はいませんでした。

神様のドングリ- 変化 -へ続く

◎クリックご協力ください!




スポンサーサイト

テーマ : スピリチュアル
ジャンル : 心と身体

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

天心

Author:天心
こんにちは!天心と申します。
守護霊アドバイス等の取次鑑定を行っています。
ブログ記事では、守護霊やスピリチュアル世界に関するお話を掲載してゆきます。

ツイッター
最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
閲覧者数
現在の閲覧者数:
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
Happy Search★ ~占いと癒しの検索ポータルサイト~
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR