神様のドングリ- 野心 -

はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。

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神様のドングリ- ドリの祈り -からの続き。


大樹のマモリギの前でひたすら祈り続けるドリ。

その元へ息を弾ませながら、村里の方角からかけてくるバリスの姿がありました。

バリスはいつもにもなく明るい表情をしています。

元気そうなバリスを見て、微笑みを浮かべるドリは、同時に真っ青な空の向こうに陰る雲も感じるような感覚を覚えます。


・・・ ◇◆ 野心 ◆◇ ・・・

「バリス!?一体、どうしたというの?」

「これを見て!」

バリスは息を切らせながら、右手に持ったキラキラ光るドングリをドリの目の前にスッと差し出しました。

ドリは、ドングリをじっと見ながら「まあ、なんだかとても綺麗ね」と言いました。

「これは何なのかしら?」

「神様のドングリっていうんだ!」

バリスは得意げにまるでドングリの輝きに当てられたかのように目をキラキラさせながら言いました。

「神様のドングリ・・・?」

ドリは不思議そうに神様のドングリを覗き込みます。

「今は村里の皆が競ってこれを集めているんだよ!」

バリスは興奮して、大げさに両手を広げながら言いました。

ドリはそれを見て、いつものような冷静さを欠いたバリスの姿に先ほどから感じていた不安の正体を観たように思いました。

「神様のドングリは山で採れるらしいんだ。沢山、手に入れれば、僕らの生活も大きく変えることができるんだよ!」

「バリス・・・私はね」

ドリは何かを言いかけましたが、それを遮るようにバリスは話を続けました。

「心配いらないよ♪ドリ。神様のドングリがあれば村里の中だって、肩身の狭い想いをすることはないし、ドリだってもっといい暮らしができるんだよ」

「バリス・・・そうじゃないの。私は今のままがいいの。」

「どうしてさ!?なんでいつもドリは村里を避けるの?どんな奴にだって今度は何も言わせはしない。ドリの居場所は僕が・・・」

まくし立てるようにバリスが言い寄るのを遮るようにドリは、「いい加減にして!一体、どうしちゃったの?なんだか変だよ」と哀しそうに言いました。

バリスは一瞬、だまり込み、下を向きながら「わからないよ。このままがいいなんて。」とつぶやきました。

その後、バリスは踵を返して、走って森のなかへかけていってしまいました。

ドリは何か言おうとしてましてが、声をかける間もなくただ、その後ろ姿を見守るしかできませんでした。

バリスを傷つけてしまった。

その想いが益々、ドリの心を傷つけるのでした。

それと同時に確実にこの世界に何か良からぬものが立ち込めているのを感じるドリなのでした。

・・・続く

神様のドングリ- 岩窟の王者 -へ続く


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