神様のドングリ- 岩窟の王者 その2 -

はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。

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神様のドングリ- 岩窟の王者 -からの続き。

まさに虎口というべき薄暗い岩窟の中へタイラーは入っていきます。

暗い道を進んでいくと明かりが灯った部屋に出ました。

そこは外側からは想像できないくらいきらびやかな場所です。

森の果物や木の実、とりどりの魚や肉、王宮を思わすような雰囲気です。

岩窟の王者メフィスはさながら玉座ともいうべき岩場の上に寝そべっています。

肉付きの良い、ひときわ大きな身体を横たえながら、顔を始め、身体にはその威厳を表すような縞が描かれています。

おそらく、ほとんどの動物たちはメフィスの姿を観ただけでチヂミ上がってしまうことでしょう。

さてさて、タイラーは如何にメフィスト対峙していくのでしょうか。


・・・ ◇◆ 岩窟の王者 その2 ◆◇ ・・・



「随分と景気がいいみたいだね」

タイラーは少し言葉を選びながらも、あくまで自分のペースを乱さないように第一声をメフィスにかけました。

「狐よ。くだらぬ世辞はいらぬ。お前の理屈っぽさも気に食わぬ。さっさと要件を言うがいい」

色々と策をめぐらそうと考えていたタイラーを牽制するようにメフィスは厳かに言い放ちます。

さすがに百戦錬磨の虎、メフィスです。

タイラーが弁舌を弄して、何かを仕掛けてくることなど見抜いているようです。

内心、タイラーは舌打ちをしながら、必死で体勢を整えながら言いました。

「ふん。随分とご挨拶だな。今日はアンタに忠告に来ただけさ」

「忠告だと?この我輩にか?随分と見くびられたものよ」

メフィスはその凶悪な瞳をギロリと開き、鋭い牙を向いて吠えるように言いました。

「まあ、そう言わずに聞いておいたほうがアンタのためだぞ」

タイラーは表情を変えずに言いました。

「いいだろう。くだらぬことを言ったらその身体、引き裂いてやる」

「忠告というのは、アンタが必死になって集めている『神様のドングリ』のことさ」

「ほう?面白い。神様のドングリがどうしたというのだ。」

「俺はアンタに対しては一目置いてるんだ。」

「くだらぬ世辞はいらぬといったはずだ」

「まあ、待て。これはお世辞じゃなく本当だ。だが、アンタが神様のドングリを集めていると知ってガッカリしていたところだ」

「なんだと?どういうことだ」

「アンタにはどの動物にもかなわない力があるだろ?威厳だってある。なのにたかがドングリを追い求めるなんて、岩窟の王者たるアンタがすることじゃないだろ?」

タイラーはちょっと挑発するように若干、煽るように言いました。

ここからが一世一代の勝負どころです。

「単なるドングリ?あれは神様のドングリだぞ。世の動物どもがこぞって欲しがるドングリだ」

タイラーは今だ!と感じました。

思いっきり、大げさに笑うとタイラーは言いました。

「神様のドングリ?あれはな、ただの腐ったドングリだ!そして、その腐ったドングリを神様のドングリだと言って、頭の悪い動物どもをからかってやったのはこの俺様さ!」

タイラーは高らかに言い切ると、神様のドングリがどんな経緯で誕生したのか一挙にまくし立てるように説明しました。

岩窟の王者メフィスはその説明をずっと静かに聞いています。

タイラーの作戦は、メフィスのプライドを引き裂いて、二度と神様のドングリなど集めようと思わせないようにさせることでした。

かなりのリスクはあるものの、万が一の時には、逃げる算段はしていました。

逃げ足は得意であったし、他に方法がなかったのです。

「だから、神様のドングリなんてくだらないものは・・・」

タイラーは説明を終えて、頃合いを見て止めの言葉を発しようとしました。

その時、ずっと黙って聞いていたメフィスから、小さな声ともつかない音が漏れ伝わってきます。

プライドを引き裂かれたメフィスが怒りを露わにしてタイラーに襲いかかってくる前兆でしょうか。

タイラーはグッと身構えて、逃げる体勢を整えます。

「クククッ」

メフィスはプルプルと身体を震わせながら、失笑のような音をハッキリと漏らしました。

その瞬間、メフィスは岩窟の中で大反響を起こすほどの大きな笑い声を上げ始めました。

タイラーは予想外のメフィスの反応に戸惑い動けないでいます。

メフィスの大笑いの真意は一体、どこにあるというのでしょうか。

タイラーはただ呆然とするしかありませんでした。



・・・続く


神様のドングリ- 岩窟の王者 その3 -へ続く



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