神様のドングリ- 岩窟の王者 その3 -

はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。

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神様のドングリ- 岩窟の王者 その2 -からの続き。

岩窟中に響き渡るメフィスの笑い声。

その予想外の反応にただ愕然として見守るタイラー。

一体、何がそんなにおかしいというのでしょうか。

メフィスの真意は果たしてどこにあるのでしょうか。


・・・ ◇◆ 岩窟の王者 その3 ◆◇ ・・・

メフィスはしばらく笑い続けていましたが、急にふと真面目で武骨な虎の顔に戻り言いました。

「狐よ。お前は何か勘違いをしているな」

タイラーはそう言われて言い返す言葉がありません。

「お前の言うとおり、こんなドングリに大した価値などない」

メフィスはそう言うと神様のドングリを一つ手に取り空中に投げるとそれを口の中で受け止め、鋭い牙でそれを砕くと吐き捨てました。


「・・・だったら、もう神様のドングリを集める必要はないだろ?」

タイラーは、額に冷や汗をかきながらも主張を試みました。

「フハハハ!狐よ。そうはいかぬ」

「・・・なんでだよ!?」

「狐よ。確かにお前の言った通り、俺には力がある」

メフィスは威厳にも似た厳かな声色で語り始めました。

「今までは、その力だけを頼りにこの世界で覇を唱えてきた」

タイラーは岩窟に灯された明かりに映し出されるメフィスの影がまるで、この世のものとは思えぬ何か恐ろしいもののように感じていました。

まるで、自分の知っているメフィスとは次元の異なる、恐ろしいものが唸り声をあげっているかのような感覚です。

「我輩に逆らえる動物は最早いないだろう。だが・・」

メフィスはカッと目を見開いて言いました。

「いくら腕力を持とうとただそれだけのこと。この世を我輩に完全に承服させることはできぬ」

「・・・それがなんだっていうんだ?神様のドングリと何の関係があるんだよ!」

タイラーは少しヒステリックな声色で叫ぶように言いました。

最早、いつものクールな立ち居振る舞いを保つことはできなくなっていました。

「わからぬか?狐よ。この世界の動物どもは、こぞって神様のドングリを欲しがっている。お前がでっち上げった腐ったドングリをだ」

メフィスの瞳にはさらに鋭さをましたギラギラした光が灯っています。

「この神様のドングリさえ我輩の手中に掌握してしまえば、吾輩は労を経ずして全ての動物どもを支配することができるのだ!」

そう言うとメフィスは再び高らかに笑いました。

「・・・そ、そんなこと許さないぞ!」

「ほう?許さないとな。では、どうするのだ?我輩を止められるのか?いや、その前にこの世界の動物どもが神様のドングリを欲しがるのをやめさせることなどできるのか?」

メフィスはそういうとまた、大笑いました。

「そもそも、腐ったドングリを神様のドングリと偽り、動物どもをたぶらかしたのはお前ではないか!」

メフィスはタイラーを指さしそう言い放ちました。

タイラーは決定的なことを言われて、衝撃のあまり絶句してしまいました。

いたずら半分についた嘘がこんな大事になるなんて思っても見なかったのです。

タイラーは後ずさりしながら、転がるように岩窟から逃げ出しました。

それはメフィスから逃げ出しているのか、自分の犯した罪から逃げているのか、タイラーにはわかりません。

逃げる背中からメフィスの声が届きます。

「狐よ。我輩は感謝しておるぞ!お前が創りだした神様のドングリは最高の贈り物であった!」

タイラーは、そんな声を虚ろな気持ちで聞き流しながら、暗い岩窟から這々の体で逃げ出したのでした。



・・・続く


神様のドングリ- マモリギ -へ続く

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