神様のドングリ- マモリギ その4 -

はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。

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神様のドングリ- マモリギ その3 -からの続き。

ドリが住処を飛び出していった時から少し過ぎた頃、マモリギが丁度見下ろせる丘に、動物たちが集結しています。

見晴らしの良い丘です。

動物たちは何べんもこの光景を見てきたはずでしたが、今は思い思いの表情を浮かべて見下ろしています。

不安げな顔をするもの。

悲しそうな表情。

神妙な面持ちで横を向いて目をつむるもの。

そんな中、兎は高揚感を漂わせながらマモリギを見下ろしています。

・・・ ◇◆ マモリギ その4 ◆◇ ・・・

「あの邪魔な樹さえなくなれば、神様のドングリをたんまり手に入れることができるはずだ」


兎はニタニタ笑いながら、呟きました。

それを見ていた猿は薄気味悪いものを見るような顔をしています。

兎も以前はこんな性格ではなかったのです。

いつの間にか神様のドングリに魅せられてから変わってしまったのかも知れません。

「お前さん本当にやるのか?」


猪は静かにでも重い言葉で兎に語り掛けます。

「当然だ!それがメフィス様の望みでもある。そして、あの邪魔くさい樹をなぎ倒せば神様のドングリも取り放題なのだぞ?」


猪は兎の声色、表情からもう何を言っても無駄だと悟りました。

静かにかぶりをふって、後ろに下がります。

兎は鼻息を鳴らし、臆病者めという侮蔑した表情を浮かべました。

そして、後ろを振り返るとそこにそびえ立ついかつい巨大な体躯をしたものを一瞥しました。

それは、木々を組み合わせた櫓のような形をしていています。

他の動物たちもその巨大な櫓を見上げています。

櫓には車輪がついています。

さながら戦車のようです。

それは、駆り出された森の動物たちが兎の支持でつくらされたマモリギを打ち倒す秘策となる道具なのでした。

櫓の上には大きな岩が乗っています。

なんとも物々しい姿です。

「これさえあれば、どんな巨大なものでもなぎ倒すことができるだろう」


兎は道具の巨躯をたたきながら言いました。

「本当にこんなものであの巨木を倒せるのか?」


今度は猿が疑問を投げかけました。

「必ず倒せる!」


兎は不敵な笑みを浮かべながら断言しました。

しかし、そんな兎の自信のある言葉にもぴんとこない顔をした動物たちも多々います。

兎は舌打ちしました。

「頭の悪いお前たちにもわかるように説明してやろう」


そういうと兎は道具の説明を得意げに始めました。

「いいか。ここはお前らも知っての通り小高い丘になっている。見晴らしもいい。障害物がないからマモリギまで一直線だわかるな?」


兎の言葉は自明のことなので、動物たちで意義を唱えるものは誰もいません。

「そこで俺様が考案したこいつの出番というわけだ。」


兎は得意げに言うと巨躯をさらした戦車のような道具を指さします。

「お前らよく聞けよ!傾いたこの丘からこいつは真っ直ぐにマモリギに向かっていく。しかも、大岩をしょったままでだ!」


兎は自分の演説を盛り上げるように大きな声で叫びました。

「俺様の計算では、こいつの重さとマモリギに向かっていくスピードでとてつもない大きな衝撃を生み出すことができるだろう。そうすれば、さしものマモリギとて立ってはいられないはずだ!」


兎は説明し終わり動物たちの顔を見回します。

今一わからないといった、ぽかんとした表情をたたえる動物たちを見て兎はげんなりした顔をしました。

「あのよ。話はわかったけど、これって途中で障害がないことが前提だよな?」


猿は確認するように言いました。

「だから、障害などないと言っているだろう!」


兎はうんざりするような声色で言いましたが、猿はしらっとした表情で、マモリギのある途上の道を指さしています。

そこには、先ほどまでなかった何かの影が動いています。

「あれは一体なんだ!誰か確認してこい!!」


兎はヒステリックに叫びながら、頭をくしゃくしゃしています。

動物たちの中でリスが何匹か足早に影に近づいていきます。

影の少しずつ近づいていくるうちのその実体を確認することができました。

影の招待は一匹の山猫の姿でありました。


・・・続く

神様のドングリ- マモリギ その5 -へ続く

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