神様のドングリ- マモリギ その6 -
はじめて読む方は神様のどんぐり- はじまり -からお読みください。
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神様のドングリ- マモリギ その5 -からの続き。
マモリギを守ろうと、戦車とマモリギの間の坂道に立ちはだかるドリ。
そのドリをリスたちや猿が説得しています。
でも、ドリの決意は変わりません。
マモリギを打ち倒す計画を止めさせるべく坂道を一歩ずつ進むドリ。
一方で丘の上では、ドリの後を追いかけてきたバリスの姿がありました。
・・・ ◇◆ マモリギ その6 ◆◇ ・・・
バリスは丘の上につくと動物たちの騒めきに嫌な予感を感じました。
集う動物たちの間を抜けながら、進んでいくと急に道が開けました。
その向こうには険しい顔をした兎の姿があります。
一体何があったというのか。
バリスは開かれた道を兎に向かって進んでいきます。
「お前がバリスか!」
兎は尊大にバリスに問いかけます。
「そうです。一体何があったのですか。。?」
「何があったのかだと?悠長なことを言っている場合ではない!」
兎はますます、声を荒げて、バリスに詰め寄ります。
「お前のところのドリとかいう山猫が我らの計画を邪魔しているのだ!」
兎の言葉を聞いて、再びバリスの顔色が青く変わります。
飛び出ていったドリの後を追うようにしてやってきたバリスでしたが、どうやら悪い予感は的中したようです。
「ドリはどこに・・?」
バリスが問うと兎は、不機嫌そうに丘の下を指さします。
バリスはやはりそうか・・と心でうなずきました。
今回のマモリギを打ち倒す計画に談判するだけならば、もっと近いバリスが通ってきた道で来れば良かったのです。
しかし、ドリはあえて、自分の身をていしてでも、マモリギを守ろうとしているのです。
計画をドリに教えればこうなることはバリスには分かっていたのです。
でも、言わずにはいられませんでした。
バリスは兎の方を向き直り言いました。
「もう、止めにしませんか。(汗)十分に神様のドングリも取れたじゃないですか・・?」
バリスは、ともかく事態の解決を図るべく、苦し紛れに兎の説得を試みました。
「馬鹿を言うな!メフィス様の命令を無視できるものか」
兎は取り付く島もありません。
それでも、必死でバリスは食い下がります。
「こんなことしなくっても、俺が頑張って神様のドングリを沢山見つけて見せます。なんなら、俺の取り分も差し出してもいいです」
「ふん!貴様ごときが踏ん張ったところで何になる。貴様の取り分など雀の涙。そんなもので、補いきれるか!」
「でも、でも・・・」
「もういい!」
兎は堪忍袋の緒が切れたといわんとばかりの叫び声をあげると大岩を乗せた戦車の方を向きました。
戦車を転がす係りを命じられている動物がはじかれたように兎の方を見ます。
「発進させろ!あのデカぶつの樹を打ち倒すのだ!」
兎はそう指示すると戦車の係りをしている動物は少し震えながら、戦車を支える留め金の部分とそれを固定している紐の部分を見つめています。
紐を断ち切れば、戦車はマモリギに向かって大岩を乗せて発進してしまいます。
もう誰も止めることは出来ません。
「どうした!早くしろ!!」
兎は凄みながらせっつきます。
「でも、道の途中に山猫が・・・」
「構わんからやれ!!!山猫一匹、この大岩が蹴散らしてくれる。これが動けばどうせビビッて逃げるに決まっている」
兎にさらに険しい顔で睨まれて、戦車の係りの動物はプルプルと震えながらも意を決して、ロープにかじりつきました。
「待って!待ってくれ」
バリスは叫びますが、動物がかじりついたロープは段々と細くなり、今にも断ち切れそうです。
ロープの繊維が一本、また一本と切れていきます。
そして、最後の繊維が小さく音を立ててちぎれると、戦車を固定していた留め金が勢いよくはずれました。
戦車は大きな音を立てて、丘を下り始めるのでした。
・・・続く
神様のドングリ- マモリギ その7 -へ続く
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マモリギを守ろうと、戦車とマモリギの間の坂道に立ちはだかるドリ。
そのドリをリスたちや猿が説得しています。
でも、ドリの決意は変わりません。
マモリギを打ち倒す計画を止めさせるべく坂道を一歩ずつ進むドリ。
一方で丘の上では、ドリの後を追いかけてきたバリスの姿がありました。
・・・ ◇◆ マモリギ その6 ◆◇ ・・・
バリスは丘の上につくと動物たちの騒めきに嫌な予感を感じました。
集う動物たちの間を抜けながら、進んでいくと急に道が開けました。
その向こうには険しい顔をした兎の姿があります。
一体何があったというのか。
バリスは開かれた道を兎に向かって進んでいきます。
「お前がバリスか!」
兎は尊大にバリスに問いかけます。
「そうです。一体何があったのですか。。?」
「何があったのかだと?悠長なことを言っている場合ではない!」
兎はますます、声を荒げて、バリスに詰め寄ります。
「お前のところのドリとかいう山猫が我らの計画を邪魔しているのだ!」
兎の言葉を聞いて、再びバリスの顔色が青く変わります。
飛び出ていったドリの後を追うようにしてやってきたバリスでしたが、どうやら悪い予感は的中したようです。
「ドリはどこに・・?」
バリスが問うと兎は、不機嫌そうに丘の下を指さします。
バリスはやはりそうか・・と心でうなずきました。
今回のマモリギを打ち倒す計画に談判するだけならば、もっと近いバリスが通ってきた道で来れば良かったのです。
しかし、ドリはあえて、自分の身をていしてでも、マモリギを守ろうとしているのです。
計画をドリに教えればこうなることはバリスには分かっていたのです。
でも、言わずにはいられませんでした。
バリスは兎の方を向き直り言いました。
「もう、止めにしませんか。(汗)十分に神様のドングリも取れたじゃないですか・・?」
バリスは、ともかく事態の解決を図るべく、苦し紛れに兎の説得を試みました。
「馬鹿を言うな!メフィス様の命令を無視できるものか」
兎は取り付く島もありません。
それでも、必死でバリスは食い下がります。
「こんなことしなくっても、俺が頑張って神様のドングリを沢山見つけて見せます。なんなら、俺の取り分も差し出してもいいです」
「ふん!貴様ごときが踏ん張ったところで何になる。貴様の取り分など雀の涙。そんなもので、補いきれるか!」
「でも、でも・・・」
「もういい!」
兎は堪忍袋の緒が切れたといわんとばかりの叫び声をあげると大岩を乗せた戦車の方を向きました。
戦車を転がす係りを命じられている動物がはじかれたように兎の方を見ます。
「発進させろ!あのデカぶつの樹を打ち倒すのだ!」
兎はそう指示すると戦車の係りをしている動物は少し震えながら、戦車を支える留め金の部分とそれを固定している紐の部分を見つめています。
紐を断ち切れば、戦車はマモリギに向かって大岩を乗せて発進してしまいます。
もう誰も止めることは出来ません。
「どうした!早くしろ!!」
兎は凄みながらせっつきます。
「でも、道の途中に山猫が・・・」
「構わんからやれ!!!山猫一匹、この大岩が蹴散らしてくれる。これが動けばどうせビビッて逃げるに決まっている」
兎にさらに険しい顔で睨まれて、戦車の係りの動物はプルプルと震えながらも意を決して、ロープにかじりつきました。
「待って!待ってくれ」
バリスは叫びますが、動物がかじりついたロープは段々と細くなり、今にも断ち切れそうです。
ロープの繊維が一本、また一本と切れていきます。
そして、最後の繊維が小さく音を立ててちぎれると、戦車を固定していた留め金が勢いよくはずれました。
戦車は大きな音を立てて、丘を下り始めるのでした。
・・・続く
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